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No.21 「メージャー7」

バンドが一日8ステージという過酷なスケジュールに耐えれず解散してから、
二十歳の誕生日を迎えるころになってもゴロゴロしていた。
そんな時バンドの仲間からお呼びがかかりセッションに出かけた。
その内容はヤマハ所属のシンガーソングライターのバックバンドで、彼等はすんなりと僕を受け入れてくれて一緒にステージをやることになった。
とても食べていけるような収入ではなかったが、プータローに比べたら天国であった。彼等との仕事は割と短い期間だったが、その後もヤマハのアーティストのバックを務めることになったのだ。
そのときの話だが、あるマネージャーから僕にバックバンドのメンバーを集めてほしいとの依頼があった。嬉しいことだったが僕にはほとんどミュージシャンの知り合いがいないし、いいかげんな人を紹介するわけにはならないし、
悩んだすえに駄目もとでネム音楽院の先生方にお願いしたのだ。
これが人生の転機になった。なんと先生方は快くOKしてくれたのだ!しかも
僕のギャラは先生方と同額!今までの10倍以上に跳ね上がった!hoo〜
といっても今考えればやっと人並みになったということなんだけどね。
その頃としては驚喜の沙汰だった。やっと見えてきたプロミュージシャンへの道だったと言える。それから暫くはヤマハ事業部があった恵比寿や、その後渋谷のエピキュラスに通う日が続く。
一年後ぐらいのある日ある先輩ミュージシャンからセッションのお誘いを受け道玄坂ヤマハのスタジオに向かった。なんでも先輩と同じく関西出身の面白い人たちだからという情報だけを持って・・・・
スタジオにいたのは「HI-FI SET」の3人とプロデューサーでキーボードの松任谷正隆氏とドラムスの重田氏、そして譜面が配られた。そこには今までやってきた曲とは毛色の違ったシャレたコード進行、そしてやたらにメージャー7が際立つ。思わずにんまり!
そしてカウントがはじまる。フェンダーローズの小気味好い音色、
軽快な16ビート、そして山本潤子さんの素晴らしい歌声そしてハーモニー 
おまけにユーミンの楽曲。と、こっ、これは楽しい!! 何曲やっただろうか?
あっというまに楽しいセッションは終わってしまった。挨拶をして家路に向かっているとマネージャーが追いかけてきて「食事でも」と誘われレストランへ行った。なんと!一緒にやりましょうと誘われたのだ。「考えさせてください」とは言ったものの心は決まっていた。その後の家路はルンルン。
次の日には現行のシンガーソングライターにバックをやめたい趣旨を伝えるべく頭を下げまくっていた。
ここから「HI-FI SET」のツアーに参加することになった!やったどー!